アルマンブログ

おばさん

2015.12.03

こんにちは。
アルミ製オーダー収納「ミスター・アルマン」店長のJunJunです。
今回は私が企画開発した商品にまつわる想い出話です。興味の無い方はスルーしてくださいませ。。。時間が節約できます!

企画開発のお仕事をして2,3年経った時の事です。会社の方針で販売ルート別に営業スタッフと開発スタッフをそれぞれ一つのチームとして分け、チームでお客様に対応するという事になりました。私は「店舗」ルート担当に配属されました。「店舗」ルートはお客様がホームセンターや百貨店など実店舗でお客様に商品を販売しているルートです。
そこで、どんな商品を立上げて販売していくかを毎日のように話合っていました。企画スタッフが草案を考え営業スタッフが裏付けや情報をとったりしていました。。。

営業スタッフは3名程でベテランの方ばかりです。企画スタッフは経験の浅い私一人だけでした。。。。経験の無い中でいろいろと私なりに発案しました。
「よし!この案で行ってみるか!」と営業リーダーが言いました。それは、一般の主婦の方がキッチンで使う家庭雑貨収納用品シリーズです。アイテム点数は15点ほどでした。(今考えると大した商品ではありませんでした)
案は決まったものの、実際にデザインや設計を進めていき見積りをすると高すぎてとても販売できる状態ではありませんでした。設計し直しては再見積り、デザインを見直しては再見積りの連続でした。一つの商品で平均5回程設計をやり直したでしょうか。。どうしてもコストが抑えられずに2点はボツになりました。。。それなりの数を一人でやっていたために時間も掛かり当初の販売目標時期からはズレていました。。。。

まとまった13点のうちでそれでもコスト高のものも幾つかありましたが、営業リーダーは「これ以上は時間を掛けられないから、後は俺らの営業力でなんとかするわ!」と一言。

商品仕様が決まると「店舗」販売ですのでお客様に商品をPRするためのパッケージ作りです。シリーズアイテムという事で一つのイメージデザインを決め統一をはかりました。。。。
ここまでで当初の販売目標からは大きくズレており修正すらできない状態です。
その間、営業リーダーは商品サンプルを一式揃えてお客様のもとへ・・提案を行い販売契約を決めてきていました。まさに有言実行です!!
棚割

そして「棚割」と言われる商品を実際のお店に並べる段階になりました。最初の棚割作業という事もあり営業リーダーが実店舗に出張し自身の手で棚割作業を行いました。
次の日、開店したお店に出向き商品の再確認をしていた時の事だそうです。お客様が一人、いわゆるおばさんが営業リーダーが作業をした棚に来たのでその場を離れ、遠くから見ていたそうです。
そのおばさんは陳列されたその商品を手に取り、棚に戻し、また手に取りジィーと見て、また棚に戻し、一旦場所を離れ、2~3分後にまた戻ってきて商品をカゴに入れたかと思うとまた戻して、その動作を何回も繰り返していたそうです。そして、迷ったおばさんがついに商品をカゴに入れレジに持っていきお金を払って購入したそうです。。。

営業リーダーはその光景をずっと見ていてレジでおばさんがお金を払った瞬間にゾクゾクっと身震いをしたそうです。。。自分が販売契約を取ってきて遠方まで出張をし棚割作業まで一生懸命やった初出荷の商品の販売初日に、迷いながらも購入してくれるお客様の姿を見たとき・・・・・・・購入金額は商品1つだけで、たった850円だったそうです。

営業リーダーは「俺や、それ見てすげー嬉しかったわ」と言って「俺が、これだけ嬉しかったから作ったお前はもっと嬉しいだろうと思ってこの話を聞かせてやるわ!」と私に話してくれました。。。
私はそのおばさんが私の作った商品を買ってくれたコトは当然嬉しかったですが、何よりも経験の浅い未熟な小僧に自信を付けさせるために販売契約を決めてきてくれた、、、作ったお前はもっと喜ぶだろうと思って、とそんな話を聞かせてくれた営業リーダーの気持ちがすごく嬉しかったです。。カッコ良かったです。。。。

そんな事があったから、今現在も私は企画開発のお仕事をしていられるのかもしれません・・・
(by JunJun)

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