ありがとうプレイス

感謝の思い ~その213~ 「愛情のバナナロール」

2021.09.25

こんにちは。

アルミ製オーダーメイド収納棚「ミスター・アルマン」スタッフのSです。

この「ありがとうプレイス」はMr.Alumanに携わっていただいているお客様をはじめとする様々な方に感謝の想いを発信していく場です。

当然のことながらMr.Alumanの運営は多くの方々のおかげで成り立っています。

そういった方々に感謝の想いを伝えたいということです。「ありがとう!」と言われて嫌な思いをする方はいませんよね。

そんな感謝の想いの中でお仕事をしたい・・・そんな想いが詰まっています・・・

-----------------

今回は昔、大好きだった祖母から教わった話をしたいと思います。

祖母はかなりの倹約家でした。そのストイックな性格は徹底しており、「外食をしない」「レトルトカレーやカップスープのようなコスパの悪いものには手を出さない」「食材の買い物は値引きがされる夕方以降」など、様々なこだわりがありました。

私が小学生のころは、そんな祖母を見て、どうしてそんなに節約ばかりしているのだろうといつも疑問に思っていました。

そんな祖母でしたが、一方ではよく孫のためにお菓子を買ってくれる人でした。小学校の帰りに祖母の家に寄り道してから帰っていたのですが、そのたびに毎回必ずおやつを用意して待ってくれていたのです。ポテトチップス、チョコレート、アイスクリームなど、その日によって様々でしたが、中でも特に印象に残っているのが、バナナロールです。

円筒状のロールケーキにバナナが丸ごと一本入っている大きなスイーツで、私はそれが大好きでした。兄弟やいとこと集まり、みんなでそのバナナロールを食べながら楽しく遊んだものです。

やがて私も大人になり、人並みに節約をしながら生活していたある日の事。帰郷して祖母がよく通っていた小さなスーパーに立ち寄る機会がありました。

そこで偶然、昔食べていたあのバナナロールに再会したのです。

「懐かしい。あの頃のままのパッケージでまだ売られていたんだ。」

私は嬉しくなり、思わず商品に手が伸びました。

しかしその時値札を見て驚きました。

「え、これってこんなに高かったの・・・。」

祖母はあの頃、こんな高価な食べ物を、兄弟といとこたち一人一本ずつ、計5人分も買ってきてくれていたのです。そして今思い返すと、私達が食べているのをいつもニコニコしながら見ていました。何をするわけでもなく、ただ椅子に座っている祖母に対して、当時子供だった私は、「おばあちゃんは退屈そう」といった印象を持ったものです。

しかし大人になって振り返ると、日々の節約生活に下支えされた、祖母の愛情を確かに感じます。

先日の敬老の日には、再び故郷に戻り、実家の仏壇にある祖母の遺影の前に、懐かしのバナナロールをお供えしました。そしてあの頃祖母が私たちをニコニコと見守ってくれていたように、今度は私が祖母の遺影に微笑みかけました。あの頃の記憶は、遠い昔の思い出になってしまったけれど、誰かを大切に想う気持ちは、確かに祖母から引き継げたと思います。

この先の人生、まだまだ多くの出会いがあるかと思いますが、その人々を幸せにして、それを心から喜べる人間でありたいと思います。

カテゴリ一覧