ありがとうプレイス

感謝の思い ~その216~ 「指摘する優しさ」

2021.10.30

こんにちは。

アルミ製オーダーメイド収納棚「ミスター・アルマン」スタッフのSです。

この「ありがとうプレイス」はMr.Alumanに携わっていただいているお客様をはじめとする様々な方に感謝の想いを発信していく場です。

当然のことながらMr.Alumanの運営は多くの方々のおかげで成り立っています。

そういった方々に感謝の想いを伝えたいということです。「ありがとう!」と言われて嫌な思いをする方はいませんよね。

そんな感謝の想いの中でお仕事をしたい・・・そんな想いが詰まっています・・・

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先日バッティングセンターに行った時の事。いつものように並んで順番を待っていると、私の前でプレイしていた小学生が、目を疑うような行動を取りました。なんとその小学生は、自分で噛んでいたガムを、バッターボックスの中に吐き捨てたのです。

呆気にとられた私は、「いったい誰が片付けるんだ!次の人が踏んだらどうするんだ!」と一瞬心の中で憤慨しました。おそらく本人はガムを噛む習慣のあるメジャーリーガーの気分になり切っていたのでしょう。もっとも彼らが捨てているのは嚙んだガムではなくただの唾のようですが。

思い返すと、私も小学生時代は数々の信じられない行動を取っていました。その最たる例が、隣の家のコンクリート塀に向かって野球のボールを投げつけていたことです。私の家の塀と違い高さがあったのでコントロールを付ける必要がそれほどなく、変化球を覚えようと、いろんな持ち方を試したりしたものでした。

しかしそれも度が過ぎて、ある日大暴投となってしまったボールは、その高い塀を乗り越えてお隣さんの敷地の中へと消えて行ってしまいました。自宅に入って母親にそのことを告げると、「あんた〇〇さん家の壁に向かってボール投げてたの!?」と、こっぴどく叱られました。
すぐに二人で謝りに行き、ボールを返していただくとともに、これからは自分の家の壁にだけ向かって投げることを約束しました。家主のおじさんは笑って許して下さり、「前々から気づいてたんだけど、注意できなくてごめんね」とおっしゃいました。

それ以降、私が外でボールを投げていると、それを見つけたおじさんは「腕に力が入りすぎだよ」「軸がぶれすぎだよ」などと色々親身になってアドバイスをくれるようになりました。用事で外に出てこられた奥さんがそれを見て、「あんた野球教えてたの(笑)」と話しかけると、近所のおじさんは「毎日一生懸命に頑張ってるからね。”間違った努力”をさせると可哀そうで」と答えました。

今になって振り返ると、当時のおじさんのその言葉は、私がよその家の壁に向かってボールを投げていたことを、悪いことだと気づかずに、ずっと行い続けてしまったことにも向けられていたと感じます。私のことを想って世話を焼いてくださったのだと思うと、とてもありがたく感じます。

そして現在、目の前にはバッターボックスにガムを吐き捨てた、「間違った努力」をしている少年がいます。私はプレイし終わって退出してきた少年にポケットティッシュを一枚手渡し、「踏んじゃうと悪いから拾ってくれる?」と声を掛けました。少年は素直に聞き入れてくれて、「あ、すいません」と言ってガムを拾いに行きました。そしてそれだけにとどまらず、私が「ありがとう」とお礼を言うと、少年はそれに応えるかのように、バッターボックスに転がっていたボールを、私が踏んで転倒しないようにとピッチングマシンの方に投げ返してくれました。

小学生時代に受けたおじさんの温かい優しさがあったからこそ、和やかに解決できたのだと思います。おじさんの教えに感謝するとともに、自分もそんな人間でありたいと感じます。

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